地震は冬に多い?冬特有のリスクと本当に必要な「備え」

「冬に大きな地震が多い気がする」
阪神・淡路大震災や東日本大震災、そして記憶に新しい令和6年能登半島地震など、寒い時期の災害ニュースを見て、そう感じる方もいるのではないでしょうか。
「地震は冬に多い」と言われる本当の理由

実は、気象庁などのデータを見ても「季節と地震の発生率」に科学的な関係はありません。夏でも冬でも、地震は同じように発生しています。
では、なぜ「冬に多い」と感じるのでしょうか。それは、発生確率ではなく「冬に起きたときの被害が過酷であり、記憶に強く焼き付いているから」です。
暖かい季節なら「外に逃げてしのぐ」ことができるかもしれませんが、冬はそうはいきません。厳しい寒さ、雪による交通の麻痺、暖房器具による火災など、冬という季節そのものが地震の被害を何倍にも拡大させてしまうことがあるのです。
命に関わる!冬の地震特有の5つのリスク

気象庁や雪国の自治体が出している防災資料を見ると、冬の地震には次のようなリスクがあることがわかります。
① 屋根の雪による「家屋倒壊」と「避難の遅れ」
屋根に雪が積もっていると、その重さと地震の揺れが合わさることで家屋倒壊の危険性が高まります。
また、道路の積雪や凍結により、いざ逃げようとしても避難に時間がかかり、安全なルートが確保できなくなる恐れがあります。
② 停電による「低体温症」
真冬に停電が発生すると暖房が使えなくなり、避難所でも自宅でも「低体温症」の危険にさらされます。寒さが直接的な命の危機に直結します。
③ 暖房器具による「火災・延焼」
地震の揺れでストーブが転倒して出火したり、停電から復旧した瞬間にスイッチが入ったままのヒーターから出火する「通電火災」のリスクが跳ね上がります。冬は空気が乾燥しているため、大規模な延焼にも繋がりやすくなります。
④ 断水と凍結による「トイレの機能停止」
地震による水道管の破損に加え、厳しい冷え込みによる水道管の凍結が重なり、水洗トイレが完全に使えなくなることがあります。
⑤ 不衛生な環境から拡大する「感染症」
水が使えないことで、手洗いやトイレ掃除ができなくなります。インフルエンザやノロウイルスなどのウイルスが活発な冬場に不衛生な環境が重なると、感染症があっという間に拡大してしまいます。
いますぐ見直そう!冬の地震への備え

地震が真冬に起きたことを想定し、以下の備えを見直しましょう。
防寒・雪対策
冬の避難や停電に備え、以下のアイテムを防災リュックに追加しておきましょう。
- アルミブランケット
- 使い捨てカイロ
- 毛布
- 帽子
- 手袋
- 厚手の靴下
雪の積もる外へ避難することも想定し、雪道でも歩きやすい長靴や防寒靴があると安心です。玄関周りの避難路確保や車の立ち往生対策のために、小型のスコップもあると便利です。
また、雪の重みによる家屋倒壊や出入り口が塞がるのを防ぐため、普段からこまめに雪下ろしや除雪を行っておくことも、命を守る立派な防災対策です。
水や食料など、基本の防災グッズについては、こちらで詳しく解説しています。
▶【関連記事】【防災士監修】防災グッズで本当に必要なものは?最低限備えるべきリスト一覧と選び方
火災対策
暖房器具の周辺には燃えやすいものを置かず、避難する際は必ずブレーカーを落としてガスの元栓を閉める習慣をつけましょう。
冬のトイレ・感染症対策
水が一切使えず、寒くて外にも出られない状況で数日間を乗り切るため、室内で衛生的に使える非常用のトイレの備蓄が必要です。
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冬の地震は「寒さ」と「トイレ」の備えが大切

冬に地震が多く発生するわけではありませんが、いざ冬に起きてしまった場合、その被害は寒さによって何倍にも膨れ上がります。
電気や水道が止まり、外への避難も難しい冬の災害では、自宅で体力を奪われずに過ごすための防寒対策と、衛生環境を守るトイレ対策が命と健康を守る鍵となります。
「いつか来る」ではなく「今年の冬に来るかもしれない」と考え、本格的な寒さが到来する前に、ぜひご家族や職場で冬用の備えを見直してみてください。
【監修】防災士・柳原志保(しほママ)

東日本大震災での被災経験から、「本当に現場で使える」にこだわってQbitシリーズの開発を監修。「食べ物は我慢できても、トイレは我慢できない」——。開発に込めたしほママの想いとストーリーはこちら。
